青宙通信 2017年度 第9号

 

 どうも、編集長です。青祭がもう、あと1週間と少しまで迫ってきてしまいました!僕は引退してしまいますが、2017年度の青宙は今回を除き、あと1号残っていますので、先にアナウンスしておきます。とにかく、CRC全体としては青祭が区切りとなりますので、各自悔いのないよう過ごしましょうね!

 

 

 本号の執筆者は、佐藤加梨さん、山本あゆ美さんのお二人です。先月に引き続き、2女シリーズの第2弾となります。それぞれ、たいへん分かりやすくまとめてくれています!

 

 

 

 さて、今回は、加梨ちゃんからは「日本での星の呼び方」を、あゆ美ちゃんからは「流れ星」を、それぞれ取り上げてもらっています。本編をどうぞ!

日本での星の呼び方

 こんにちは!佐藤です。

 皆さん星座についてはよくご存じですよね。突然ですが問題です。夏の大三角を構成する星は何でしょう!?…そうです、こと座のベガ、わし座のアルタイル、そしてはくちょう座のデネブです(順不同)。

 

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 また、ベガとアルタイルはそれぞれ、みんな大好き日本の七夕において、織姫星彦星と呼ばれていることもご存じかと思います。ここで私は思いました。「有名な星の日本での呼び方って、意外と知らないんじゃないのか!」ということで今回、皆さんが聞いたことがある星たちが日本でどのように呼ばれていたのかを、ほんの少しだけご紹介します。

プレアデス星団

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 プレアデス星団は、冬の星座の、おうし座にある星団です。

 このプレアデス星団、おもに西日本では、「すばる」と呼ばれていました。ご存じの方は多いのではないでしょうか。プレアデス星団の星たちが糸で結ばれるように集まっていて、頭や手を飾るアクセサリーのようにみえたことから、“集まって一つになる”という意味である「すばる」という名前が付けられました。どこかのプラネタリウムで聞いたような気もしますね。特に清少納言は、枕草子の中で「星はすばる」と書いた箇所があり、彼女のお気に入りの星であったことが伺えます。

 

 

 また、先ほども述べたように、「すばる」というのは主に西日本で呼ばれた名前で、東日本では「六連星(むつらぼし)」と呼ばれていたようです。他にも、「つり鐘星」や「さんまた」、「ゴチャゴチャ星」等、様々な名前で呼ばれていました。

 

 

 プレアデス星団は昔話に登場したこともあります。その昔話とは、おじいちゃんENDで有名な浦島太郎です。浦島太郎が海の竜宮城を訪れたとき、実は七人の童子たちが彼を出迎えるシーンがあるのです。この七人の子どもたちこそが、プレアデス星団である「すばる」の星たちです。「星が海の底で暮らしているなんて変だわ」と思ったあなた!四方を海で囲まれた日本では、星は海から昇り海へ沈むように見えます。このことから、昔の日本人は、星は海で暮らしているものと考えたのでしょう。なんとも夢があります。

カシオペア座

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 カシオペア座は、北の空にある星座で、北極星の周りをぐるぐる回る周極星の一つです。また、その北極星を見つけるときに使うことができる星座でもあります。

 

 

 日本の漁師の間では、船が流されないようにするために沈める、錨(いかり)に形が似ていることから、錨星と呼ばれていたようです。特に夏の時期には、夜明け前になるとカシオペア座が北の空に高く上がります。これを目印として、漁師は夜明けが近いという時刻の目印にしていたということです。錨星という名前の他に、山形星という名前もあります。カシオペア座のW字の形が山のようであったから、そのような呼び方が生まれました。

 

 

 有名な星座の日本での呼び方を少しだけご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。見知ったものの別の名前を聞くと、不思議な気持ちになりますよね。なりますと言ってください。今回は日本での呼び方でしたが、国によって星の呼び方が違うことがあります。調べてみると、知らない呼び方があるかも!是非、自分が好きな星座を調べてみてください。(佐藤)

流れ星について

 11月担当の山本です!今回は、合宿でもよく見ることができる流れ星についてお話します。流れ星見たいけど…どんな時期に見ることができるの?流れ星が流れている間に、願い事を3回言うと叶うの?などと疑問に思っている方も多いのではないかと思います。今から、それらの疑問についてお話していきたいと思います!

 

 

 夜空を見上げていると、偶然流れ星を見ることができるかもしれません。それは散在流星と言って、いつ流れるのか、どの方向に流れるのか、まったく予想できません。見ることができたら、ラッキーですね!しかし、確実に流れ星を見たい時はどうすればいいのでしょうか?

 

 

 そういうときは、流星群の時期を確認してみましょう。1年中常に流星群を見ることができるわけではありません。見ることができる時期は決まっています。毎年主に出現する流星群は、下に記したとおりです。

流星群の時期

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 ここに書いてあるものは毎年出現するものですが、年によっては、満月によって条件が悪い...なんていうこともあります。インターネットなどで、よく確認してみて下さいね!ちなみに、残り2か月ほどしかありませんが、2017年の流星群で条件が比較的良いものを下に記しました。冬に流星群を見に行く際は、風邪をひかないように十分注意してください!

 

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 しし座流星群

 ここで、しし座流星群についてもう少し詳しくお話しします。2001年には”しし座流星雨”という現象があったのを覚えているでしょうか?周期が33年のタンペルタットル彗星が、しし座流星雨を出現させました。下の画像は1833年の大発生が起きたときに、火事だ火事だと泣き叫んでいた様子を描いた木版画です。しし座流星雨は、何度も大出現を見せていたことが歴史に記録されています。次回は2034年に大発生すると言われています。あと17年後ですね!

 

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流れ星と願い事

 ここで話が変わりますが、最初に述べたように、流れ星が流れている間に願い事を3回言うと、それが叶うと言われています。なぜそのように言われているのでしょうか?それは、流れ星が光るときというのは、天の神様が天の窓を開いて下界をのぞき見されていて、そのために天界の光がもれているのだ、と中央アジアのあたりで言い伝えられていました。つまり、流れ星の光っている間、3度も願い事を唱えれば天の神様の耳にもしっかり入り、その願い事を聞き届けてもらえるというわけです。実際に3回も願い事を言うことができればいいのですが、流れ星はあっという間に流れてしまうのでなかなか厳しいですね。

 

 

 これはおまけですが、昼でも見られるような明るい流れ星があることは知っていますか?それは火球と言います。もしかしたら見たことがある人もいるのではないでしょうか。木星よりも明るい、つまり-3等より明るい流れ星のことです。もっと明るい、満月ほどの明るさになると、”大火球”と呼ばれます。大火球は大音響を伴い、地上に落ちてきます。まれに、隕石になって落ちてくることもあります。

 

 

 流れ星の中にはとても速度が速く、気のせいのように感じるものもあります。一人で観測していると、そのように感じてしまうかもしれません。流れ星を見るときは、みんなでわいわいとお話をしながら見るのが一番いいですね!これを読んだことがきっかけで、空を見上げ、星を眺めながら流れ星を探す人が増えればうれしいです。(山本)

11月の天体イベント

11月4日(土)

満月

11月12日(日) 0時半ごろ

レグルス食(月がレグルスを隠す)

11月13日(月) 明け方

東の低空で金星と木星が最接近

11月15日(水) 未明から明け方

南東の空で月と火星が接近

11月18日(土)

新月

しし座流星群 極大

11月21日(火) 宵

南西の空で月と土星が接近

編集後記

 今回、執筆の機会をいただきありがとうございました!日本での星の呼び方を紹介しましたが、ちゃんと書けているのか不安です。今までと違った切り口でいきたい!と思いましたが、普通になってしまいました(笑)。ごめんなさい。調べていて面白かったです!ありがとうございました。(佐藤)

 

 

 今回、流れ星という題材で執筆させて頂きました。流れ星が流れている間に3回願い事を言うと叶う…などと言われていますが、何故なのだろうと不思議に思っていました。そういった疑問について書ければと思い、この題材にしました。普段の生活では流れ星を見つけることがなかなかできませんが、前回の夏合宿では綺麗な流れ星をたくさん見つけることが出来ました。次の合宿でも流れ星を探したいと思います。みなさんも、次の流星群の時期にぜひ探してほしいです!(山本)

 

 

 今回も面白い内容でした!二人ともとても読みやすい文章で、あゆ美ちゃんは表にまとめてくれたのでたいへん分かりやすかったです。星座の日本での伝統的な呼び方というのは、意外となかった題材でした。全部載せるとキリがないので、興味を持たれた方は是非調べてみてください。さて、青祭までラストスパートです。張り切っていきましょう!(二口)

参考文献