青宙通信 2017年度 第10号

 

 こんばんよう!引退したはずの編集長ですが、今月分までは担当させていただきます。そして、今月号がCRC52期の第4期青宙通信の最終号となってしまいます(涙)。それと同時に、第5期も青宙通信が続投することが決定しました!次期編集長については、(多くの部員はもうご存知かと思いますが)最後に紹介いたします。

 

 

 本号の執筆者は、川添由莉子さん、丸山真実さんの、機創コンビのお二人です。第4期終了とともに、2女シリーズも最終章となります。

 

 

 

 さて、今回のテーマは「火星」になります。実は今まで、きちんと取り上げられていなかったのですね。久しぶりに、太陽系の惑星というシンプルなテーマです。火星とはどのような星なのか我々人間が移住することは可能なのか...などについて、書いてくれています!

火星

  こんにちは!丸山と川添です。

 今日、世界人口はどんどん増えていっています。人口が増えすぎると、人類は地球に住めなくなってしまう可能性が出てきます。そのようになった場合、太陽系の惑星の中で、火星なら人類が住むことができるかもしれないのです。

 

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 まず、火星について基本的な事をまとめた表です。

 

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 この表より、地球に比べ火星は、平均気温が-55度とたいへん低く、酸素も大気中に0.13%しかないことがわかります。とても人間が住めるようには思えないですよね…。ですが、火星は自転周期が約24時間と地球と近しく、また四季もあります。冬になれば、雪も降るのです。また、昔には海、川、湖があったといわれており、水の存在の可能性NASAの研究によって示唆されています。

 

 

 次に、火星での生活についてです。まず、火星に行くには8ヵ月かかり、また惑星の軌道の関係で、26ヵ月に1度しか行くことが出来ません。それに加えて、1度火星に行ったら、地球に戻ってくることは出来ません。また、今のところ、火星においては水も酸素も人類にとって全く不十分ですので、地球から運ぶ必要があります。ですが、電力に関しては、火星において太陽光発電を用いてつくることができます。そして、家について、NASAが発表している火星での理想的な家は、ドーム型の氷の家です。さらに、住むにあたってたいへん酸素が薄いため、宇宙服が基本的なコーディネートとなります。

 

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 結論としては、地球と火星は相違点が多く、一方で共通点はあまりありません。酸素と水がほとんど無い現時点では、火星に移住することはまだまだ難しいようです。遠い未来、人類が地球に住めなくなってしまうまでに解決するといいですね。

 

 

 そして最後に、火星についての豆知識を2つ紹介します。火星の表面は、岩石で形成されています。その岩石の中には、酸化鉄が多く含まれています。つまり、このことによって、火星にもわずかではありますが、酸素が存在することが裏付けられているのです。酸化とは、酸素原子が物質と結びつくことを言います。鉄製のものがゆっくりと酸化されて赤くさびるのと同じように、火星も酸化しています。だから火星は赤く見えるんです!

 

 

 さらに、火星に降り立った人が空を見上げると、空がピンク色に見える、と聞いたことがあります。それは、常に火星には赤い塵が舞っているためだそうです。地球は宇宙から見たら青色をしていますが、地球の内側から見ても、太陽や天候の影響により、必ずしも青くはないですよね。火星は、その内側から見ても、宇宙から見ても、赤く見える、ということになります。(川添・丸山)

マイナー星座解説 冬ver

 星が綺麗な季節がやってきましたね。相模原キャンパスではもちろんのこと、青山キャンパスでも、冬の大三角くらいははっきりと見ることが出来るのではないでしょうか。冬に星空を見るとなると、目がいくのはやはり、皆さんご存知冬のダイヤモンドでしょう。オリオン座、おおいぬ座こいぬ座、ふたご座、ぎょしゃ座、おうし座といったいわゆる陽キャラ星座たちはすぐに見つけられることと思います。しかし、それらに埋もれてあまり注目されない、認知度が比較的低い陰キャラ星座たちの中から2つをピックアップし、今から擁護していきたいと思います。

うさぎ座

 うさぎ座は、オリオン座の下(南)おおいぬ座の右(西)に位置する星座です。プラネタリウムのナレーションをこなした方なら、こう言われただけでおおよその位置は想像できますよね。図の中で、赤く囲ってあるのがうさぎ座です。

 

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(図・二口)

 


 なかなかそれっぽい星座なのではないでしょうか?イラストを付けて見てみましょう。

 

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 星座にありがちな、イラストを見ても釈然としない現象は免れていると思います。それにしても、こんなに形を理解しやすい星座が、あの有名なオリオン座の真下にあったのか、と驚かれる方もいらっしゃることかと思います。それもそのはず、3等星と4等星で構成されているため、都会で見ることはまず難しいといえます。少し郊外に出かければ、きっと認識できるようになるでしょう。観測会に行ったときなどは、ガチ陽キャのオリオン座ばかりにどうしても目がいきがちですが、その足下で輝く星座にも目を向けてあげましょう。

 

 

 この星座は、ギリシアプトレマイオスの48星座(トレミーの48星座)に含まれます。(トレミーの48星座に関しては第8号参照)しかし、なぜウサギが星座となったのかという理由については、神話の中で伝えられておらず、はっきりしていません。狩人オリオンの真下に位置することから、このウサギはオリオンの獲物であるという意図で描かれたことは確かであるようです。また、オリオンの猟犬であるおおいぬ座に近く、星の日周運動によって、ウサギがイヌから追われ、西の方角へと逃げ続けているように捉えることもできます。

はと座

 続いて、うさぎ座からさらに南へと目を向けていきましょう。うさぎ座の下、かなり南の低い空で見ることが出来るのが、はと座です。赤く囲ってあるのがはと座です。

 

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 南の東京の緯度だと、高度20度ほどにしかならず、南の方角の視界がよく開けた場所でないと見ることが出来ないでしょう。また、こちらも3,4等星による構成という、比較的目立ちづらい星座となっています。なるべく南に位置する、光害の少ない場所で観測するのが良さそうです。しかし、また形のわかりづらい星座ですよね。イラストを付けてみます。

 

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 実際の星座そのものは、ハトの上半身と咥えている木の枝の部分にあたるのです。この木の枝の正体はなんでしょうか。ハトが咥えている枝、となると青山学院の学生ならわかりますよね。そう、オリーブです。旧約聖書の創世記の中にあるノアの方舟の話において、ノアが遣わしたハトは、オリーブを咥えて戻ってきました。くわしくは、創世記6~8章(旧約聖書P.8~11)をお読みください。

 

 

 この星座は、フランスの建築家であるロワイエより設定され、「ノアのはと座」と名付けられていたとされています。16世紀につくられた、比較的新しい星座であるといえます。

 

 以上、うさぎ座とはと座の紹介でした!この先、観測会や、年末年始の時期にお出かけになられた際にでも、冬のダイヤモンド以外の星座たちも意識して見つけてみてください!(二口)

12月の天体イベント

12月4日(月)

今年最大の満月

(第4号のPick up参照)

12月9日(土) 朝8時半~9時半ごろ

レグルス食(月がレグルスを隠す)

12月14日(木)

ふたご座流星群 極大

12月15日(金) 未明から明け方

月と木星が接近

12月18日(月)

新月

12月23日(土)

こぐま座流星群 極大

編集後記

 執筆させて頂き、ありがとうございました。何について書こうかとても迷いましたが、興味のあることについて書かせてもらいました。この記事を読んで、少しでも火星に興味を持っていただけたら嬉しいです。ありがとうございました。(川添)

 

 

 こんにちは!理工2年の丸山です。今月号を担当させていただき、ありがとうございました!実は、私は最初、火星について、地球と似ている星、酸化鉄で赤く見える、などの簡単なことしか知りませんでした。今回担当することになり、火星について色々と調べていくことで、火星の可能性について知りました。火星ってすごいですね。いつか火星に行って、暮らすことができる日が来るといいですね!(丸山)

 

 

 さて、CRC52期の引退に伴い、第4期青宙通信は今号をもって終了させていただきます。全10号の編集を通して、自分自身もたいへん知識がつきました。様々な部員の文章を読むことができたことも面白かったです。そして、青宙通信の基礎を確立させ、2年間も編集長を担った、偉大なる奥先輩から受け継いだバトンを、無事次期に引き継ぐことが出来ました。第5期も、自分たちらしさを活かしつつ、このブログを盛り上げていってくれればなによりです。もう、自分からは以上です。

 次の編集長は駒田 智紀君です!!

                      第4期 青宙通信編集長 二口 凜太

 

 

 新青宙編集長の駒田です!

 青宙通信だけでなく、広報とも協力してブログを盛り上げていけたらと思っています。編集長と言っても、原稿を書いてもらうのは部員のみんななので、自分はホワイトな精神でみんなの執筆を手助けしていきたいです!(^ω^)

                      第5期 青宙通信編集長 駒田 智紀

 

参考文献