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青宙通信 2017年度第3号

 

 こんにちは!編集長です。部員の皆さん、新歓観測会お疲れ様でした!新入生の皆さんは楽しんでいただけたでしょうか?観測会に参加された人もそうでない人も、皆さんの入部を楽しみにしています!

 

 観測会の日はあいにくの悪天候でしたが、日付が変わってからは星空が少しずつ見えましたね。深夜4時頃は夏の大三角が見えたそうです。その頃私は寝てしまっていました…不覚。また、こと座流星群の極大日でしたので、雲の切れ目で少しだけ流れ星も見られました!

 

 

 さてさて、本号の執筆者は、伊原明宏くんです。メインテーマとして、宇宙の美しい一面を取り上げてもらいました。彼らしいコラム記事もちょこっと書いてもらっています。

 

 本編をどうぞ!

 

 

 

 

 こんにちは、青キャン新3年の伊原明宏です。突然ですが、今回は「惑星状星雲」について書いていこうと思います。「惑星状星雲」と聞いてピンとくる人は少ないかもしれませんが、今回の記事を読んで興味をもってもらえたら嬉しいです。

惑星状星雲

 まず「惑星状星雲」がどういうものか見てもらいたいと思います。下の写真が「バタフライ星雲(正式名称:NGC 6302)」と呼ばれる星雲です。SF映画に出てきそうな神秘的な輝きを放っているこの星ですが、姿が羽を大きく広げた蝶のようであることからこの名前がつけられました。また中央の星を断面に切断すると、2つの飛行機のジェットエンジンから排出されるジェット雲のようにも見えることから「ツインジェット星雲」という名前でも知られています。表現としてはこちらの方が分かりやすいかもしれません。

 

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 さて、この「バタフライ星雲」ですが「惑星状星雲」と呼ばれるものの一種で、比較的大きい恒星がその一生を終える際にこのような美しい姿を見せます。「惑星」という名前が付いていますが分類上は惑星ではなく、恒星の周りに散らばるガスが木星のような惑星に似ていることからこのような名前がつけられています。先ほどの画像で蝶の羽にあたる部分が恒星から噴出されるガスで、このガスが恒星に照らされることによってこのように見えています。中心の星の温度は約25万度と非常に高温になっています。そしてこの星雲はさそり座の近く、地球からはおよそ3800光年ほどの距離に位置しており、ガスの放出は2200年にわたって時速96万キロほどの速さで広がり続けています。ではそもそも恒星はどのようにその一生を終えるのでしょうか?

惑星の最期

 恒星が一生を終える時には2つのパターンがあります。まず1つが「超新星爆発(supernova)」と呼ばれるもので、こちらは聞いたことがある人も多いと思います。そしてもう1つが先ほど紹介した「惑星状星雲」になるパターンです。恒星は星の内部で水素やヘリウムなどが燃えることで自ら光を放っています。しかしやがてそういったガスが少なくなっていくと、内部に炭素や酸素などの物質が溜まっていき、バランスを保つことが出来なくなります。見た目も大きく変わります。恒星は「赤色巨星」と呼ばれる赤く光る星に変化し、大きさも重さも増え続けます。限界を迎えると星は大爆発を起こし、これが「超新星爆発」と呼ばれています。恒星が「超新星爆発」を起こさずに、外部に向かってガスを噴出することもあります。この現象が「惑星状星雲」で、超新星にならなかった赤色巨星白色矮星と呼ばれる状態へと変化していきます。これら2つの現象によって星を構成していたガスは宇宙へと流れていき、やがて新たな星を形作ることになります。

 

 

 「惑星状星雲」は「バタフライ星雲」の他にも、「砂時計星雲(写真上)」や「ヘリックス星雲(写真下)」などと呼ばれるユニークな姿をしたものが多くあります。見ていると引き込まれると同時に不気味さを感じずにはいられないものもあり、改めて宇宙の雄大性、神秘性を実感することができます。このような星の姿が美しいと感じるかどうかは人それぞれですが、一見の価値ありの天体たちです。しかしながら、「惑星状星雲」は銀河系にある数千億個の星のうちわずか3000個程度しか観測されていないほど希少な存在です。今回のこの記事を読んで「星雲」について興味を持ってくれた方は、ぜひ他の「惑星状星雲」についても詳しく調べてみてください。きっと新しい星の楽しみ方が増えるはずです。

 

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 不定期連載・世界の天文台シリーズ

 皆さんは「天文台」と聞いて、どこを思い浮かべるでしょうか?今回は最近注目を集めている「グリフィス天文台」について紹介したいと思います。

 

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 「グリフィス天文台」はアメリカのカリフォルニア州ロサンゼルスにある天文台です。丘の上に建てられているため展望台からはロサンゼルス市内を一望でき、有数の人気観光スポットとしても知られています。またロサンゼルスが舞台の映画『ラ・ラ・ランド』では、この「グリフィス天文台」でのシーンがあります。その他にも『ターミネーター』や『理由なき反抗』、『Yes Man』といった数々の有名映画にも登場するため、映画ファン必見のスポットになっています。では「グリフィス天文台」とはそもそもどのような場所なのでしょうか?

 

 

 「グリフィス天文台」は1896年に資産家グリフィス・J・グリフィスが残した遺言によって建設されました。彼は自身の所有していた広大な土地をロサンゼルス市に寄付し、そこに天文台を建てるように言いました。天文台は1935年に完成し、改修工事を経て2006年に現在の姿になりました。施設の中には約300席ある巨大なプラネタリウムのほか、エジソンのライバルとしても知られる発明家のニコラ・テスラが開発した「テスラコイル」など、宇宙に関連した様々な装置や資料が展示されています。また外に出ると、ロサンゼルスを一望出来る展望台があります。昼間はハリウッドサイン、夜は夜景や星空など時間帯によって様々な楽しみ方ができるのも「グリフィス天文台」の魅力の一つです。ロサンゼルスを訪れた際には、是非行ってみてください。(伊原)

マイナー星座解説 春ver

 皆さんは、春の星座と聞くと何を思い浮かべますか?有名なしし座、おとめ座、北斗七星をしっぽにもつおおぐま座、またはうしかい座など…

 そんな中、明るさが弱い、規模が小さいなどの理由であまり注目されない星座たちを、今号では取り上げてみたいと思います!

 

からす座

 まずは、星座の形をご覧いただきましょう。

 

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                        (図・二口)

 

 どう頑張ってもカラスに見えん!という方。私もそう思います。イラスト付きで見てみましょう。

 

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 …納得できない方が多いでしょう。実はこれらの星は、カラスを打ち付けている釘を表しているのです。このカラスは、もともと太陽神アポロンの使いで、銀色の翼をもち、人の言葉を話すことが出来ました。ですが、かなり口が軽く嘘つきだったため、ある事件をきっかけにアポロンから罰を受けます。言葉を奪われ、見た目も真っ黒な醜い姿に変えられ、見せしめに星空に磔にされてしまいました。

 

 

 この星座は、3等星で構成されており、南の空、春の大曲線の延長線上で見ることが出来ます。春の大曲線とは、北斗七星の持ち手のカーブを、うしかい座アルクトゥルス、そしておとめ座のスピカへとたどる曲線のことをいいます。

 

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 最後になぜこのカラスは、下を向いたような体勢なのか。それは、からす座の隣にあるコップ座によって明らかにされます。

 

コップ座

 こちらがコップ座です。

 

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 これは結構分かりやすいのでは?しかし、私たちの想像するコップを照らし合わせると違和感があるでしょう。それは、このコップが表すものは、古代ギリシアの土台の付いた盃、クラテルだからです。

 

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 世界史の教科書で見覚えがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 この星座は、4等星以下の星で構成されているため、たいへん見つけにくいです。からす座を目印にするとよいでしょう。コップ座とからす座の位置関係は、以下のようになります。

 

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 カラスの頭がどうしても盃に届かない、そのような図に見えませんか?磔にされたカラスは、前述の罰に加えて、盃の水が決して飲めない、渇きの苦しみという罰もアポロンから受けているのです。

 

 

 というわけで、からす座とコップ座の紹介でした!これらの星は、都内近辺で観測することはたいへん難しいので、GWに郊外にお出かけになった時にでも、是非空を見上げて見つけてみてください!(二口)

5月の天体イベント

5月6日(土)

みずがめ座η(エータ)流星群 極大日

5月7日(日)

月と木星が接近

5月11日(木)

満月

5月13日(土)

月と土星が接近

5月23日(火)未明から明け方

月と金星が接近

5月26日(金)

新月

編集後記

 今回は「惑星状星雲」について紹介しました。私たちの住んでいる地球も、いつかは死を迎えると考えると不思議な感じがしますが、このように死を迎えた星から放たれたガスが新たな星に生まれ変わるという点は生物とも似ていて、とても感慨深い現象であると思います。「バタフライ星雲」はおよそ2200年にわたって最期の姿を私たちに見せ続けています。これは私たち人間からしてみれば膨大な時間に感じられますが、星の一生から考えるとほんのわずかな時間でしかありません。それ故「惑星状星雲」は珍しい現象なのかもしれません。今回記事の中では紹介できなかったものの中にも、美しい「惑星状星雲」が沢山あります。中にはCGのように見える面白い星雲もあり、見ていて飽きないです。是非調べてみてください。(伊原)

 

 

 今月も更新が遅れてしまいました…。来月からは更新日時設定かけておくようにします。今号はわりと大ボリュームになったのでは?色んな切り口から楽しめるのも宇宙の面白いところですね。ところで皆さんGWの予定は決まりましたか?決まってない方は、都内ならプラネタリウムに、または郊外に実際に星を見に行くというのはどうでしょう?(二口)

参考文献

画像引用元

 

 

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