青宙通信第10号
こんにちは、青宙通信編集長の奥です。
まず先月号でご報告した通り、今月号をもってCRC51期の第3期青宙通信を終了とさせて頂きます。それと同時に第4期青宙通信として継続が決定しました!
そして次の青宙通信編集長を発表します。
ドゥルルルルル ギュイーン キュイン キュイン ドンッ!(ドラムロールの音)
二口 凛太 君です!
そんなわけで青宙通信10号、トリを務める2人は中澤と高橋です!
テーマは「星の色と明るさ」についてです!
圧倒的クオリティで大変読み応えのある内容に仕上げてくれました!
見えないものを見ようとした結果、あんなことになるなんて…
青宙通信第10号
2016 年 11 月号 担当 高橋輝 中澤洸太
こんにちは〜ひかるです。さて自分は高校のとき天文部だったわけですが、このことを話すと8 割方の人がロマンチックな人だね〜とか言うんですよね。でも逆の立場だったら同じこと言う自信があるから何とも言えないけどな!
そ う で す ! 宇 宙 は ロ マ ン チッ ク な ん で す !
(左上:オリオン大星雲 M42、右上:馬頭星雲、下:アンドロメダ銀河 M31)
こんな写真を小さい頃図鑑などでみたことある人も多いのではないでしょうか?
望遠鏡で初めて観察するとき順番は決まってまず月、次に土星や木星などの惑星でしょう。
もちろん感動します。そして、ふと思い出すのです。あの頃図鑑で見た写真を、宇宙の神秘を。
衝動に駆られ高校のとき星雲や銀河に望遠鏡の焦点を合わせて覗いてしまいました...
⻑い前置きでした。ようやく本題です。今回は「星の色と明るさ」について実体験も交えてお話ししたいと思います!
☆星の色と温度について☆
恒星の色は赤いほど温度が低く、⻘白いほど温度が高いことは知っていると思います。
夏に見える蠍座のアンタレスは赤く、春に見えるおとめ座のスピカは⻘白く見えます。このことからそれぞれの表面温度はアンタレス<スピカであることが分かります。実際にアン タレスの表面温度は約 3,500°C、スピカの表面温度は約 23,000°Cです。ここまで来るとどれ くらい熱いのか想像がつかないですね。最小は-273°Cなのに上はどこまであるんだよって 言うのはまた別のお話。太陽は約 6000°Cです。さてアンタレスより温度が高い太陽は何色 でしょうか?実は⻩色です。
面白いことに太陽の色を赤と認識するのは日本くらいと言わ れています。日の丸とか良い例ですね。世界的には 太陽は⻩色、または白と認識されているそうです。 実際私たちは太陽を近くから見ているので色とし て認識するのは難しいですが、遠くから太陽を見ると⻩色っぽく見えます。 絶対等級(明るさ)とスペクトル型(温度・色)の関係を図にしたのが
「HR(ヘルツシュプルング・ラッセル)図」というものです。 これは星の進化を知る上でもとても重要な図 と言われています。図より星はおおきく3つ のグループに分かれます。
☆星雲と銀河の色?☆
望遠鏡で星雲や銀河を覗くと最初の写真のように見えるのでしょうか?
高2の夏合宿で実際に観ましたが、答えは NOです。実際には淡く白いモヤのように観えました。
Q. ではなぜ色が認識できないのか?
A. あくまで写真だからです。カメラと人の眼ではスペックが違います。
まず可視光と不可視光の問題です。宇宙での光の多くは不可視光であり、私たちの目では 認識できないのです。その一方でカメラは不可視光まで捉えることができるからです。次に 露光の問題です。カメラで星雲や銀河を撮るとき感度を上げ、露光し続けます。そうするこ とによって僅かな光を⻑時間かけて集めて一枚の写真として保存するからです。一方、肉眼 では瞬間の光しか蓄積できず、しかも暗い環境では色より形を認識するようにできていま す。これらの理由から写真のようには観えないのです。
見えない物を見ようとして〜♪
望遠鏡を覗きこんでも見えないです。
図鑑の写真を見て宇宙を好きになった人も多いと思いますが、これは星好き子供のがっか りランキング1位でしょう。
じゃあ、こっからはなつおタイムです。ここまで見た人はこんな疑問をもつかも。「じゃ あなんで星の温度は違うの?」って。そのお話をしていきましょー。でもその話をするには 星の誕生から見てく必要があるのです...あー⻑い⻑い。正直くっそ⻑いし、割とムズいです ...最終号だし許して...。
☆星の誕生から学ぶ色の違い☆
なぜ誕生から見ていかなくてはならないかというと、星の温度の違いは主に星の成⻑段
階によるからなのです。 恒星くんは星間ガスという宇宙に漂っているチリや水素などの集合体が原料となってい
ます。超新星爆発の衝撃波や星間雲同士の衝突がきっかけとなり、これらの星間ガスが引力 により一つにまとまり始めます。このように星間ガスが凝縮し始めると当然質量が大きくなっていきます。
万有引力は物体の質量が大きいほど大きくなるので、凝縮が進めば進むほどそのスピード と圧縮力は大きくなっていきます。引力に任せてどんどん質量と密度を増やしながら星間 ガスを凝縮していくとあることが起こります。核融合です。
みんな大好きな状態方程式からもわかるように、密度が上昇すると気体の温度は高くなります。凝縮が進み、星間ガスすなわち水素が 300 万°C程度に達すると軽水素は核融合を 起こし、エネルギーを放出し始めます。これが原始星と呼ばれるものであり、恒星くんの赤 ちゃん時代です。このときはまだ温度も低いため赤っぽい色であり、正式には恒星とはいえません。
じゃあここで温度の違いに戻るわけですが、中心核が重くなっ ていくと外殻は膨張していくのです。なぜ?というのはめちゃく ちゃ難しいのでここでは省略させてもらいます...すまぬ...。外殻 が膨張するとボイル・シャルルの法則より表面の密度と温度は低 下します。表面温度の低下→色の変化!!と繋がるわけです ね!!やっと本題にたどり着きましたねー。ここまでで恒星が生 まれて死ぬまでに⻘白→赤と色を変えるのがわかります。
このように星の色および温度は星の成⻑段階によって違うことがわかりましたねー。⻑かったね・・・。
〜編集後記〜
なんかもうただのレポート書いてる感じだった笑。でも初めて知ったことも多かったし、 自分で調べていて勉強になってよかった。いつか俺が星になるときに役立つといいなぁ。星 の一生に関してはかなり難しいし端折っちゃった部分も多いので興味を持った人はぜひ調 べてみるとよろし。(なつお)
写真のような宇宙が見えると思っていたピュアピュアな人もいたのではないでしょう か?『がっかりランキング堂々の 1 位!全俺が泣いた!知りたくなかったで賞受賞!』...... 観測会で実際にがっかりしてみよう!(ひめお)(ひかる)
最後に